コラム みすず野
4月26日(木)
 「土を耕す仕事は自然と調和したエコロジカルな行為と思われているようだが、決してそうではない。(中略)人間が自然を自分の都合のよい方向にねじ曲げ る行為、といったらいい過ぎか」。東御市に住む、エッセイストで農園主の玉村豊男さんが『種まく人』(新潮文庫)で書いている◆確かにそうで、野菜を育て るには土に肥料を施し、マルチを敷き、苗を植えて、柵を作り、伸びた枝を誘引し、雑草を取り、害虫から守り…と全く人工的な所作を繰り返して、なるべく多 くの実を得ようとする。手をかければかけるほど、良い物が収穫できる。できる限り管理下に置くのである◆年々進む品種改良もそう。しかし、こうも言える。 根本のところは自然であって、自然の許す範囲内であれこれ手を加えたり、改良したりしているに過ぎないと。それを踏まえたうえで、土を耕し、滴る汗をぬぐ い、野菜と「対話」していると、健康度が増すというか、心身が回復してくる◆昨年の農事メモを取り出し、いつ何の種をまき、何の苗を植えたかをチェックし ている。GWが近づくにしたがって、こうしよう、ああしたいの思いは膨らむ。