コラム みすず野
5月24日(水)
 「この道はいつか来た道、/ああ、そうだよ、/あかしやの花が咲いてる。―」。北原白 秋作詞の童謡「この道」は、丘の白い時計台や母と馬車に乗った幼少期の思い出をつづる、やさしい、懐かしい道である◆しかし、この道が戦前の暗黒時代につ ながる道であり、安穏としている間に逆戻りしているとしたら…。その時代のちに「天下の悪法」と呼ばれた治安維持法が幅を利かせ、特別高等警察(特高)の 取り締まりは、想像を絶するものだった。そんな古い話でなくても、4年前の特定秘密保護法の成立に際しての反対運動を思い出す◆「特定秘密」の範囲が広 く、一度秘密に指定されると、半永久的に隠されてしまう。加えて、警察がこれを拡大解釈し、市民運動等を取り締まる恐れが生じると。そして、きのう与党が 強行採決し、衆院を通過させたのが「共謀罪」の趣旨を含む、組織犯罪処罰法の改正案だ◆法案自体の必要性、処罰の対象となる犯罪の種類など、衆院での議論 も、国民の理解も全く深まらないまま、参院に送られた。「戦中派のど根性をいまこそ」。反対集会に参加しているという女性からは一通の書簡が届いた。